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動く芸術を腕に纏う。ラルフ・ローレンが愛するヴィンテージカーのディティールを腕時計で表現【Style in motion 052】

世界でも有数の自動車コレクターとして知られるラルフ・ローレン氏。このほど、彼の愛するヴィンテージカーのディティールを、腕時計のデザインで表現した、新作コレクションが登場した。

※この記事はル・ボラン2016年1月号からの転載です。掲載商品は現在販売していないものもあります。

ラルフ ローレン オートモーティブ コレクション

ジャンルは違うものの、クルマと時計には多くの共通点がある。たとえば内部に高性能エンジンや精緻なメカニズムを秘めつつ、外観は美しいスタイリングをまとっていることであり、移動手段や時を知るという実用的な道具であるだけでなく、趣味性も強く、持ち主の嗜好やライフスタイルを表現するところもそうだ。そうしたことから男性にとってとくに興味や関心を引く対象であり、両者のマニアも少なくない。

その熱烈な収集家として知られるのが、ラルフ・ローレン氏である。2011年には、自身のコレクションから選りすぐりの26台の名車がパリのルーブル宮殿に運ばれ、「The Art of Automobile」展として公開された。そしてこの秋には、コレクションのクルマをリアルに再現した16台のミニチュアカーが日本で展示販売されたことも記憶に新しい。

一方で、時計に関しても収集だけでは飽き足らず、本格的なオリジナルウォッチを作ってしまった。なかでもクルマ好きとして注目したいのはオートモーティブ コレクションで、これは所有する1938年製ブガッティ タイプ57SCアトランティッククーペの世界観からインスピレーションを受けている。今回紹介するのはその新作だ。

まず目を引くのが、ケースの周囲のベゼルと呼ばれる部分にインド紫檀を採用していることだ。6ヶ所をビスで止めたデザインは、クラシックなウッドステアリングのようでもあり、ブラックケースに浮かび上がる。

さらに文字盤はまるで軽量化の肉抜きをしたようなオープンワークが施され、内蔵するムーブメントの美しい仕上げや緻密な動きを見て楽しむことができる。これはスケルトン仕様と呼ばれ、ラルフ ローレンでは初の採用になる。かつてクラシカルなドレスウォッチの様式美として人気を呼んだが、スポーティな躍動感がみなぎる、現代的なスタイルだ。

クルマをイメージし、デザインを取り入れた時計は数多くあるが、内に秘めた精神性までも具現化し、これほどエレガントに融合した時計は見たことがない。これもラルフ・ローレン氏のファッションデザイナーとしての卓越した才覚と、両者の魅力を知り尽くした視点が存分に注がれた結果だろう。

たとえクルマから降りても、つねにドライブの気分が味わえる。その腕元は周囲にも好ましく映るに違いない。

RALPH LAUREN AUTOMOTIVE COLLECTION
オートモーティブ コレクションは、ラルフ・ローレン氏が所有するヴィンテージカー「1938年型ブガッティ タイプ57SCアトランティッククーペ」からインスピレーションを得てデザイン。ブガッティのステアリングホイールやダッシュボードを彷彿させるディテールが随所に演出されている。高級なインド紫檀の木製ベゼルと特別に製作された手巻きスケルトンムーブメントが特徴の「RLオートモーティブ スケルトン」を筆頭に、アラビア数字のインデックスがヴィンテージカーのダッシュボードを彷彿させる「RLオートモーティブ ウッドダイアル」、楡(ニレ)材で手作りされた木目模様のダイアルを備える、オートモーティブ クロノグラフとクロノメーター(45mmと39mmの2サイズ)の5つのモデルをラインナップ。いずれもブラックアリゲーターのストラップが装着される。

●問い合わせ先:ラルフローレン 表参道 https://www.ralphlauren.co.jp/

ル・ボラン2016年1月号より転載

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