















ポルシェ史上最強の市販EVが伝説のマシン「917/30」と雪上で夢の共演
ポルシェは2026年1月30日、完全電動SUVの新型「カイエン・ターボ・エレクトリック」と、かつてモータースポーツ界を席巻した伝説のレーシングカー「917/30」が、ツェル・アム・ゼーで開催の「FATアイス・レース」にて共演すると発表した。両車に共通するのは、1000psを超える圧倒的な出力である。ポルシェは今回、時代を超えた2台のマシンを通じて、進化し続けるテクノロジーと受け継がれるDNAをファンに披露した。
【画像16枚】雪と氷の舞台で交差する「1000 馬力超えクラブ」。新型カイエン・ターボ・エレクトリックと917/30の歴史的共演をすべて見る
史上最強の市販ポルシェ、最高出力1156psの電動SUV
新型カイエン・ターボ・エレクトリックは、ポルシェがこれまでに製造した市販モデルの中で最も強力なモデルである。最高出力は実に1156psという驚異的な数値を叩き出す。0-100km/h加速はわずか2.5秒でこなし、最高400kWの充電能力と600km以上の航続距離を備えている。
これまでのどのカイエンよりも多用途性に優れており、オンロードでのスポーティな走りはもちろんのこと、オフロードでの高い走破性、さらには長距離ドライブにおける快適性までも1台の車両に高次元で融合させている。瞬時に立ち上がるトルクと緻密に制御された全輪駆動システム、そして革新的な熱管理およびバッテリー管理技術の恩恵により、単に圧倒的なパワーを誇るだけでなく、その極限のパフォーマンスを何度でも安定して引き出すことができ、なおかつドライバーの意のままに操ることを可能にしているのだ。
伝説のレーシングカー「917/30」が打ち立てた金字塔
一方、今回カイエン・ターボ・エレクトリックと顔を合わせるポルシェ917/30は、モータースポーツの歴史にその名を刻む伝説のマシンである。1973年のカンナムシリーズを席巻したこのレーシングカーは、最大1100psを発生し、当時のターボチャージャーと空気力学の分野において全く新しい基準を打ち立てた。
レースというひとつの目的のためだけに一切の妥協を排して作り込まれたこのマシンは、さらに最高出力が1230psまで高められ、1975年にタラデガ・オーバルにおいてマーク・ドノヒューの運転で平均時速355.85km/hというクローズドコースでの記録を樹立している。この驚異的な記録は、現在に至るまで語り継がれている。
時代を超えた「1000馬力超えクラブ」が雪と氷の舞台で交差
ポルシェの伝統に忠実でありながら、常に限界を押し広げ続けるという哲学は、駆動方式が変わろうとも揺らぐことはない。ガソリンエンジンを搭載したかつてのレーシングカーと、最新の完全電動SUV。全く異なる時代に生まれ、一方はサーキットでの勝利のみを追求し、もう一方は快適性と効率性をも兼ね備えるという明確な違いがある。しかし、その根底には開拓者精神と技術の進歩、そして幾度となく限界を再定義しようとする熱意という共通のテーマが流れている。
ツェル・アム・ゼーで開催された「FATアイス・レース」において、この2台は初めて並び立った。何世代にもわたってポルシェの走りを鍛え上げてきた雪と氷という特別な舞台で、歴史的な917/30と新型カイエン・ターボ・エレクトリックが共演を果たしたのだ。このイベントでの彼らの姿は、テクノロジーと可能性がどれほど進化を遂げてきたかを鮮やかに示すと同時に、ポルシェのDNAが決して変わらないことを証明する場だ。かつてはモータースポーツの世界にしか存在しなかった「1000馬力超えクラブ」の圧倒的なパフォーマンスは、今や完全な日常使いの領域へと足を踏み入れたのである。
【ル・ボラン編集部より】
1000ps超の怪物たちが氷上で舞う。かつてカンナムを制した917/30の荒々しい咆哮と、最新EVカイエンが放つ無音の加速。これらがツェル・アム・ゼーで交差する光景は、駆動方式が変われど限界の再定義に挑む、ポルシェの系譜に宿る不変の哲学を物語る。2トン超の巨躯に1156psというスペックは日本の公道では完全に持て余すものだが、その過剰な力を日常のしなやかで濃密な快適性へと昇華させる手腕こそポルシェの真骨頂といえる。
【画像16枚】雪と氷の舞台で交差する「1000 馬力超えクラブ」。新型カイエン・ターボ・エレクトリックと917/30の歴史的共演をすべて見る


