




最後の純内燃機関モデルに宿る、ロータスの妥協なき美学
ロータスは2026年5月26日、これまで製造されたエミーラのなかで最もパワフルで最軽量、かつ最高の空力性能を誇る「エミーラ420スポーツ」を発表した。2.0Lターボエンジンを搭載して最高出力420psを発揮し、オプションの「ライトウェイトハンドリングパック」を装着することでエミーラターボ比で25kgの軽量化と25kgの追加ダウンフォースを達成している。さらに、全グレードに対応する着脱式スモークガラスルーフパネルも新たに導入された。公道およびサーキットの両方でパフォーマンスを発揮するために専用設計され、ドライバーとの一体感を追求した、まさに妥協なきエンジニアリングの結晶だ。
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直4ターボが放つ420psの咆哮と、25kgのストイックな削ぎ落とし
エミーラ420スポーツの心臓部には、ボア83.0mm×ストローク92.0mm、圧縮比9.0:1となる1991ccの直列4気筒ターボチャージド・ガソリンエンジンが搭載されている。最高出力は420ps/6500rpm、最大トルクは500Nm/5000rpmを発生し、8速デュアルクラッチトランスミッションを介して後輪を駆動する。これにより、0-100km/h加速はわずか3.9秒、最高速度は299km/hに達するという圧倒的な動力性能を実現した。
特筆すべきは、俊敏性とレスポンスをさらに高めるオプションの「ライトウェイトハンドリングパック」の存在だ。このパッケージには、双方向調整式マルチマティックダンパー、チタンエキゾースト、リチウムイオンバッテリー、各種カーボンファイバーコンポーネントが含まれている。車両重量は標準の1455kgから1430kgへと軽量化され、前述の通りエミーラターボ比で25kgの軽量化を達成する。ラップタイムの計測や記録が可能な専用の「ロータストラック パフォーマンスアプリ」も同梱され、純粋な走りを求めるドライバーの欲求を満たす仕様となっている。
ドラッグと冷却を制御する、機能美としてのエアロダイナミクス
ボディサイズは全長4413mm×全幅1895mm×全高1230mmで、ホイールベースは2570mm。エクステリアのアップデートも多岐にわたり、新型フロントスプリッター、刷新されたフロントベント、延長されたサイドシル、大型エアインテーク、リップスポイラー、そしてルーバードテールゲートが採用された。
これらの空力面の改良により、ドラッグ係数(Cd値)は0.37を維持しながらも冷却性能とサーキット性能が引き上げられている。具体的には、アウトボードラジエターへの気流が15%、センターラジエターへの気流が14%増加した。なお、これらのデザインはエスプリターボをはじめとするロータスの歴史的なモデルへのオマージュも秘められているという。
足元を支えるブレーキシステムには、フロントに4ピストンキャリパーと外径370mmのディスクを、リアには4ピストンキャリパーと外径350mmのディスクを採用し、そのブレーキ冷却性能も10%向上している。さらにエキゾーストバルブの気流も30%増加しており、過酷な状況下においても極めて安定したパフォーマンスを発揮する。
シャシー面では、車高を従来より5mm低く設定し、サスペンションセッティングの見直しとハイパフォーマンスタイヤの採用によってコントロール性を向上させた。ボンデッドアルミニウムシャシーとダブルウィッシュボーンサスペンションの組み合わせに、電動油圧式パワーステアリングが緻密でダイレクトなフィードバックを提供する。
インテリアにも12段階調整式シートや新開発のカーボンファイバー製パドルシフトが採用され、ドライバーオリエンテッドなレイアウトによってさらなるレスポンス性能と操る歓びが高められている。
名車エスプリに着想を得た「着脱式ルーフ」という大人の遊び心
今回の発表で大きな話題を呼んでいるのが、エミーラとして初めて設定された着脱式スモークガラスルーフパネルだ。エスプリに着想を得たこのルーフはスムーズに着脱可能な設計を採用しており、取り外したパネルは専用の保護バッグに収納し、シート後方にある208Lのストレージスペースへ保管することができる。クーペとオープントップの2つのスタイルをシームレスに切り替えられる一方で、優れた動的性能は維持され、この機能はエミーラの全グレードで選択可能だ。
さらに、個性を際立たせる多彩なオプションも用意された。フロントスプリッターやサイドシルなどを構成要素とするエクステリアカーボンファイバーパックが設定されたほか、全16色の豊富なカラーパレットには、専用色として長年の伝統を受け継ぐ「タンジェロ オレンジ」が用意された。ホイールは9種類のデザインやフィニッシュから選択可能で、新たにサテンダークグレー仕上げの20インチ15スポークフォージドアロイホイールが追加されている。
インテリアでも、独自のジオメトリーを持つステアリングのセンタースポークなどを変更する「カーボンファイバーパック」や、ローンチカラーであるタンジェロオレンジを用いてキャビン各所にハイライトを追加する「ハンドペインテッド パック」の2種類の新オプションパックが用意されており、オーナーの好みに合わせた細やかなパーソナライゼーションが可能となっている。
【ル・ボラン編集部より】
ロータス最後の純内燃機関スポーツカーとして生まれたエミーラは、GT的洗練とピュアな運動性能の両立が高く評価されてきた。今回の「420スポーツ」は、AMG製直4ユニットを解放した420psが圧倒的な牙を剥く一方、名車エスプリを彷彿とさせる着脱式ガラスルーフの優雅さをも享受させる。極限の軽量化と空力というサーキット由来の機能美の内に、大人の遊び心を忍ばせる手腕は鮮やかだ。相反するベクトルを高度な技術で成立させた到達点である。
【画像5枚】妥協なき軽量化と空力進化の証。最高出力420psを誇る「エミーラ420スポーツ」の専用ディテールを確認する


