開発陣の本気が垣間見える改良内容
マツダは2026年6月26日、「ロードスター」の一部改良を発表した。希望小売価格(税込)は2,959,000円~4,363,000円。
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特別仕様車PS=ピュアスポーツ
今回の商品改良内容は、大きく分けて3つのポイントが挙げられる。すなわち、【1】特別仕様車「PS」の設定、【2】走行性能の進化と車外騒音規制への対応、【3】新色ボディカラー「ジンクグリーンメタリック」の採用、の3点である。以下、具体的に説明していこう。
まず、今回加わった特別仕様車「PS」だが、そのネーミングは「ピュアスポーツ」の頭文字とのことで、ロードスター開発担当者である齋藤主査自ら「最も作りたかった仕様」と語るモデルだ。
ルックス上のポイントとなるのは、グレーのソフトトップ(ガラス製リアウインドー付き)やブラックのRAYS製16インチアルミホイール。またインテリアにおいてはエアコンルーバー加飾(ブラック/内側:シルバー)や、ブラックのエアコンダイヤルおよびエンジンスターターリングの装着が挙げられる。
さらにブレーキはBrembo製ベンチレーテッドディスク&対向4ピストンキャリパー(シルバー塗装)が備わり、専用チューニングのサスペンションとビルシュタイン製ダンパーも装着される。前述の「作りたかった仕様」というのはこの部分のことで、2L車(RF)に採用したビルシュタインのダンパーを、「1.5L車にもぜひ組み合わせたい」と齋藤主査は思い続けてきたそうだ(エンジン重量に合わせてチューニングは変更されている)。PSの希望小売価格(税込)は3,663,000円となる。
執念で重量増最小化に挑んだ騒音規制対応
今回の改良では、この足回りはPS専用のものではなく、RSにも採用されている。また、MT車においては加速応答制御の改善やヒール&トゥアシスト制御が加えられた。さらに全車、レブリミット直前まで出力を絞らずに走行できるような制御も導入されている。
一方、車外騒音規制へもいくつかの対応策が採られている。まず静音タイヤの開発とその装着が挙げられるが、これに併せてステアリングフィールの最適化も図られている。これは、タイヤについては騒音のみを改善しその他の要素は従来のまま、とするのはやはり難しいためであるとのこと。具体的には、従来よりも若干柔らかいタイヤになったので、それに合わせたチューニングということである。
サイレンサーの大型化も行われているが、これは従来26Lであった容量を50Lまで拡大する必要があったところ、苦心の末、同等の騒音カットを実現しながらも36Lに抑えたということである。そのため、重量増加はわずか10kgに収まっている。
このほか、エンジン吸排気系に専用レゾネータやリブを新設計した音質チューニング、インダクションサウンドエンハンサーの標準化(ソフトトップ)などが行われている。総じて、街中などでの通常走行時には静かに走り、加速時には車外ではなく車内に音を聴かせるチューンとなっているとのことだ。
都市にも自然にも馴染むグリーン
デザイン面での変更点が、新たな外装色「ジンクグリーンメタリック」の採用である。ロードスターと言えば初代(NA型)以来、グリーンのボディカラーは長らくそのイメージの中心にあり続けてきたが、「魂動デザイン」以降ではこれがグリーン系カラーを大きく訴求する最初の例となる。
このカラーはその名の通り、工業製品の防錆塗料「ジンククロメートプライマー」から着想したものとのことで、タフなインダストリアルカラーの持つ機能感を、スタイリッシュに表現した、と説明されている。低明度ながらも彩度感をキープすることで、マツダ車の造形に合ったカラーを実現したものだという。武骨な印象でありながら飽きがこない、都市にも自然にもフィットするカラーだとのことである。
当記事でご覧いただいている写真はすべて、このジンクグリーンメタリックのPSであるが、この色は決してPSの専用カラーではない点にはご注意を。つまり、PSでは他のボディカラーもチョイスできるし、ジンクグリーンメタリック自体も、どのグレードでも選べるカラーとなっている。
【ル・ボラン編集部より】
ライトウェイトスポーツにおける10kgの重量増は通常なら忌避すべき事態だが、マツダは車外騒音規制という壁に「大人の流儀」で応えた。サイレンサー拡大による重量増を最小限に抑えつつ、車外には静粛性を、車内には専用チューンのサウンドを響かせることで、社会性と思いきり走る歓びを高次元で共存させている。さらに、1.5Lモデルに悲願のビルシュタイン製ダンパーを与えた「PS」の登場は、クルマとの語り合いを一層濃密にするだろう。時代の要請を受け入れつつ、等身大のスポーツカーの哲学は少しもブレていない。











