庭先の不動車から奇跡の復活を遂げたイタリアン・ベルリーナ
2026年6月14日、愛・地球博記念公園(モリコロパーク)で開催された『ミラフィオーリ2026』。250台の欧州車が集う会場でひと際輝きを放っていたのが、1974年式のフィアット128だ。オーナーが24歳で購入後、18年間も実家の庭で放置されていた不動車である。鈑金作業だけで2年半を費やす過酷なフルレストアを経て、新車同様に蘇らせたオーナーの情熱と真意に迫った。
【画像19枚】鈑金だけで2年半! 新車同様に蘇った1974年式「フィアット128」の美しすぎる全貌を見る
24歳での購入と、気軽な足使いが招いた18年の放置
ミラフィオーリ2026には今年も数多くの印象的なクルマが参加していたが、純正色に近いという鮮やかなブルーを苦労して調合し、スクエアなボディをペイントした1974年式のフィアット128もそのひとつだった。
各部があまりにもキレイなので、つい最近買ったのかな? と思ったらそうではなく、オーナーのY@suさん(51歳)にお話を伺ったら1999年に購入したとのことだった。

1974年式フィアット128:もともとのボディカラーはウグイス色だったそうだ。
「『ワールド・カー・ガイド』という、普通の自動車雑誌よりも判型が小さい本を見ていたら128が出ていて、コレいいな、と思いました。それで24歳のときに探し始めたら、フィアットの正規ディーラーだったロイヤル・モータース物の128がたまたま個人売買サイトに出ていたんです。1999年に買って、2002年か2003年まで普段の足として乗っていました。もともとは5マイルバンパー仕様でした。気軽に乗っていたことが災いしてボディが錆びてしまい、直さないといけないな……と思っていたのですが、その後18年も実家の庭に置きっぱなしにしてしまいました」
Aピラーも消失!? 鈑金だけで2年半を費やしたホワイトボディ製作
ボディカバーをかけていたが、下からの湿気もあってボディのガワはあるが中身は無いという状態まで錆びてしまい、各ピラーも中から腐り、Aピラーは下半分が無くなったらしい。サイドシルも錆びて無くなった不動車をいざ直そうと思ったら、イタリア車専門店には断られ、結局、神奈川県三浦市にあるリバイバルカフェで知り合った510型ブルーバードのオーナーに教えてもらった個人経営のファクトリーに入庫。ここで長期にわたって直してもらったそうだ。

1974年式フィアット128:内装は茶色だったが、レストア時に赤に変更した。
「前オーナーから128を引き継いだときに、大事にしてください、と言われていたので、やはり直すことにしました。2021年の年明けにレストアを開始し、もはや128のホワイトボディを製作するような大変な作業になったので鈑金だけで2年半かかりました。その後、塗装と内装のリセットに1年ぐらいかかり、それと並行してエンジンもやってもらってハイカムを入れました。車検を取れたのは2024年10月のことです」
内外装を一新しエンジンもチューン。炎天下でも快適に走れる現代版128へ
ボディを全剥離し、防錆施工もやって、内装を茶色から赤に変更。配線も引き直し、外装パーツは新品で組むことにした。いまでもeBayなどで部品を入手できるらしく、いろいろ揃えたのだという。
「いまや、サイドインパクトビーム入りのドア以外は新品の外装です。レストア完了後にエンジンヘッドが割れたので、さらに半年ぐらい入庫していました。クーラーが付いていて、熱遮断性能が高いKOBOtect(コボテクト)サンブロックフィルムをチンクエチェント博物館で施工してもらったので、暑い日も快適に走ることができます」

1974年式フィアット128:エンジンはハイカムを入れてファインチューン。
かつてR30型スカイラインRSターボ前期型、R31型スカイラインGTSツインカムターボ、Z31型フェアレディZ、丸目ヘッドライトのトゥデイ、サーブ9000(ジウジアーロがデザインしたクルマに乗りたくて購入)、アルピナB7ターボなどを愛用していたY@suさんは、見事に仕上がった128でこれからも走り続けていく。
【画像19枚】鈑金だけで2年半! 新車同様に蘇った1974年式「フィアット128」の美しすぎる全貌を見る