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ステランティスジャパンは2026年7月24日、シトロエンのコンパクトSUVである新型「C3 AIRCROSS HYBRID(C3エアクロス ハイブリッド)」の発売を開始した。メーカー希望小売価格(税込)は、ベーシックモデルの「C3 AIRCROSS PLUS HYBRID」が399万9000円、上級装備を備えたハイグレードモデル「C3 AIRCROSS MAX HYBRID」が435万円となっている。
【画像68枚】エコではなく“極上の癒やし”のために。新型C3エアクロスがハイブリッドを選んだフレンチブランド流の極意
2019年の日本導入以来、コンパクトで扱いやすいサイズ感と、シトロエン特有の優れた乗り心地で人気を集めてきたC3エアクロス。今回の新型における最大のトピックは、前モデルからホイールベースを65mm拡大し、現在国内で販売されているBセグメントSUVで唯一となる「7人乗り・3列シートレイアウト」を採用したことだ。
全長4410mmという取り回しの良いボディサイズを維持しつつ、最大7名が乗車できる高い実用性を両立。3列目シートは必要に応じて展開・格納が可能で、日常の送迎から週末のレジャーまで、乗車人数や荷物の量に応じて柔軟に使い分けることができる。C3エアクロスは欧州での使いやすさや直感的な操作性が評価され、AUTOBESTの「Best Users’ Car of Europe 2026」を受賞している。
新世代デザインと「C-Zen Lounge」がもたらす癒やしの空間
エクステリアは、新世代のシトロエンデザインを採用。フロントには新世代ブランドロゴと3分割のLEDヘッドライトを配し、バンパー下部の幅広スキッドプレートと相まって、ダイナミックで力強いSUVらしい表情を実現した。リアにも同様に3分割LEDテールライトを採用し、一貫したアイデンティティを表現している。
ボディカラーには、広大な大地を想起させる新色「ヴェール モンタナ」や、水銀から着想を得た「グリマーキュリー」など全4色を設定。MAXグレードではAピラーからルーフ、Cピラー上部までつながるツートーンルーフを備え、足元には天然鉱物の結晶構造から着想を得た17インチアロイホイール「ARAGONITE(アラゴナイト)」が装着される。
インテリアには、シトロエン独自の「C-Zen Lounge(シーゼン ラウンジ)」コンセプトを導入。直線基調のダッシュボードと柔らかな素材を組み合わせ、リビングルームのように落ち着きのある空間に仕立てられている。さらに、リアガラスにはパリを象徴する情景のグラフィックがあしらわれ、グローブボックス内側には歴代の代表モデルがデザインされるなど、シトロエンらしい遊び心も随所に散りばめられている。
快適性を追求する「アドバンストコンフォートシート」は1列目に加え2列目にも採用され、長距離移動でも疲れにくい座り心地を提供。もちろん、路面からの衝撃を効果的に吸収する「プログレッシブ・ハイドローリック・クッション(PHC)」も標準装備される。
「ハイブリッドは快適性を高めるための技術」
パワートレインには、1.2L直列3気筒ガソリンターボエンジンに電動モーターと6速デュアルクラッチを組み合わせた48Vハイブリッドシステムを搭載。エンジン最高出力は136psを発揮し、WLTCモード燃費は19.6km/Lを達成している。
発表会では、フレンチブランド統括の小川準平氏が登壇。小川氏は、シトロエンが大切にしている価値観として「Caring(思いやり)」「Clever(賢さ)」「Creative(創造性)」の3つを挙げた。特に注目すべきは、ハイブリッドシステムに対する独自のアプローチだ。「私たちは、このシステムを単なる燃費向上技術としては捉えていません。低速域でのモーターの積極的なアシストによる滑らかな発進、渋滞時の静粛性、そして自然でシームレスな加速。ドライバーはよりリラックスして移動でき、これらは『快適性を高めるための技術』なのです」と小川氏は強調した。
日本市場に寄り添う「カスタマーセントリック」な戦略
発表会の冒頭では、ステランティスジャパンの成田仁 代表取締役社長も登壇、グループとしての戦略を表明した。成田社長はマルチエネルギー戦略の継続に触れつつ、地域への権限移譲が進んだことで、「より日本の市場文化やお客様の価値観に寄り添った『カスタマーセントリック(顧客中心主義)』なビジネス展開が可能になった」と力強く語った。
「ステランティスはプラットフォームの共通化などでコスト競争力を活かしつつも、各ブランドの強烈な個性はしっかりと守られています。販売店やアフターサービスを含め、クルマに乗るライフスタイル全体を通じて安心とご満足を提供していくことが私たちの使命です」と成田社長は締めくくった。
取り回しの良いボディに3列目シートを詰め込み、クラスを超えた実用性と癒やしの空間を手に入れた新型「C3エアクロス ハイブリッド」。群雄割拠のコンパクトSUV市場において、他に類を見ない個性派として熱い注目を集めそうだ。
【ル・ボラン編集部より】
Bセグメントに7座を収めるパッケージは一見強引だが、シトロエンの手にかかればエスプリの効いた実用空間へと変貌する。かつてのハイドロの精神を受け継ぐPHCの搭載に加え、興味深いのはハイブリッドの解釈だ。電動化を燃費や数値競争の道具とせず、発進時の滑らかさや静粛性といった「究極の快適性」を支えるために使い切る姿勢に、フランス流のしたたかな合理主義が透けて見える。物理的制約の中で多人数乗車を実現しつつ、あくまで独自の安楽さを貫く姿勢は、歴代の名車が紡いだ哲学の現代的な翻訳である。