リュウゼツランの繊維をバイオプラスチックに
7月19日、フォードはテキーラのトップブランドとして知られる「クエルボ」を製造しているホセ・クエルボ社と組み、テキーラの原材料となるリュウゼツランの繊維を再利用した、フォード車に利用可能なバイオプラスチックの開発をスタートさせることを発表した。これにより製造されるバイオプラスチックは、配線ハーネスやストレージの素材として活用していく予定とのことだ。
クルマに使用されている植物由来のプラスチックは、現在、大豆やヒマシ油、小麦のわら、ココナツ繊維などを原料としており、今回の試みはそれらに加えてリュウゼツランの活用を模索しようというもの。フォードによれば、一般的にクルマには1台あたり180kgほどのプラスチックが使用されているそうで、それらを可能な限り、石油化学製品から持続可能なバイオ原料製品へと置き換えていくための取り組みとなる。
ホセ・クエルボではすでに使用済みリュウゼツランを堆肥としているほか、繊維から工芸品や紙を製造しているが、バイオプラスチックをそのひとつに加えることで廃棄される使用済みリュウゼツランをさらに削減することができる。そんな意向がフォードとのコラボレーションにつながったというわけだ。植物繊維を利用した樹脂は上記の通り豊富な実績があり、今回の開発も早期の実現が期待される。