サーキット試乗

【速攻試乗】日本初披露のポルシェ新型「カイエン・エレクトリック」! 渡辺慎太郎が唸った“モノが違う”体幹の強さ

ポルシェ・カイエン・エレクトリック
ポルシェ・カイエン・エレクトリック
ポルシェ・カイエン・エレクトリックと、ポルシェジャパン代表取締役社長のイモー・ブッシュマン氏
ポルシェ・カイエン・エレクトリック

フル電動となった第4世代カイエンが日本上陸

ポルシェの基幹SUVであるカイエンに、フル電動モデルの新型「カイエン・エレクトリック」が登場し、日本で初披露された。PEC東京で開催されたプレミア&試乗会にて、モータージャーナリストの渡辺慎太郎氏がいち早くステアリングを握る機会を得た。最高出力1156psを誇るターボを筆頭に、BEVへと生まれ変わった第4世代の走りはどう進化したのか。その驚異的な動的性能と、異次元の安定性をレポートする。

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6モデルを展開、最高出力1156psを誇る「ターボ」もラインナップ

ポルシェ・カイエンのEV仕様であるカイエン・エレクトリックが日本でもお披露目された。全ラインナップは次の通り(価格は税込)。
・カイエン・エレクトリック:1335万円
・カイエンSエレクトリック:1676万円
・カイエン・ターボ・エレクトリック:2101万円
・カイエン・クーペ・エレクトリック:1407万円
・カイエンSクーペ・エレクトリック:1717万円
・カイエン・ターボ・クーペ・エレクトリック:2165万円
例によって素のモデルの他にSとターボがあって、ボディはノーマルとクーペの2種類が用意されている。

ポルシェは以前から、「ポルシェを名乗るすべてのモデルはスポーツカーである」と公言している。それをもっとも実証しているのがカイエン・ターボである。ローンチコントロールを使用した際の最高出力は1156ps、最大トルクは1500Nmで、いずれも4桁だ。0-100km/hは2.5秒。これは現行の911ターボSと同等のタイムである。カイエン・ターボは通常でも857psを発生し、プッシュ・トゥ・パス機能(追い越すための押ボタン)と呼ばれるブーストを使うと、10秒間だけさらに176psが上乗せされる。なお素のモデルとなるカイエン・エレクトリックは最高出力408ps、ローンチコントロールを使うとこれが442psまで増幅され、最大トルクは835Nmに達する。

駆動用バッテリーの容量は113kWh。新開発の高電圧バッテリーで、バッテリーを挟むように上と下からプレート状の冷却装置を配置、最適な温度管理がされるようになっている。航続距離はカイエンSで最大667km、カイエン・ターボでも最大629kmと公表されている。

フォーミュラE譲りの強力な回生ブレーキと、空力を極めたスタイリング

ブレーキはフォーミュラEとほぼ同等の最大600kWという回生出力を持ち、日常での使用範囲であれば約97%の制動は回生ブレーキのみで行うそうだ。つまり、機械式ブレーキが出る幕はほとんどないのだけれど、カイエンSとカイエン・ターボにはポルシェ・セラミック・コンポジット・ブレーキ(PCCB)がオプションで用意されている。

エクステリアデザインは、どこからどう見てもカイエンそのものである一方、ボディサイズは内燃機仕様より全長で60mm、ホイールベースで13mmそれぞれ長く、全幅は5mm短く、全高はモデルによってはエレクトリックのほうが低い。これは、EVとして空力を考慮したスタイリングになっているためだ。Cd値は標準ボディで0.25、クーペで0.23と、いずれもこのクラスではトップレベルに達している。

インテリアには、新しいインターフェイスが採用されている。“フローディスプレイ”と呼ばれるそれは、センターコンソール部分のディスプレイがなだらかに湾曲し、上部はそのまま助手席用ディスプレイ(オプション)につながっている。メーターパネルのディスプレイはOLEDの14.25インチ、さらにAR技術を搭載したヘッドアップディスプレイも装備されている。

PEC東京でテスト! 巨体を忘れさせる強靭なボディとシャシーの体幹

今回は千葉県にあるポルシェ・エクスペリエンスセンター東京(PEC東京)で上陸したばかりのカイエンのEV仕様をチョイ乗りした。

動力性能に関して、素のカイエン・エレクトリックでも十分すぎるほどの加速力を示す。ローンチコントロールをオンにして全開から急制動を試みると、「ここが公道でなくてよかった」とホッとするくらい凄まじい加速感だった。

操縦性も、標準装備のPASMを備えたアダプティブエアサスペンションがばね上の姿勢を巧みにコントロールしつつ優れた回頭性を見せ、同時に上質な乗り心地も両立している。そして何より痛感したのは、そのパワーや制動力をしっかり支えるボディやシャシーといった体幹の強さである。前述の全開からの急制動でもボディに無駄な動きはまったくなく、異様なまでに安定していた。

これは常々思っていたことでもあるのだけれど、こういう体験をすると、同じSUVでもカイエンはマカンとやっぱり「モノが違う」としみじみ思う。もちろん、マカンだって同じカテゴリーの中ではトップクラスの動的性能を有しているが、カイエンはすべての性能がさらにずっと高いところにある。それはEVになっても変わることはなかった。

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Photo: Porsche Japan

AUTHOR

1966年東京生まれ。米国の大学を卒業後(株)立風書房に入社、ル・ボラン編集部に配属となる。後に転職してカーグラフィック編集記者、カーグラフィック編集長などを歴任。現在はフリーランスの自動車ジャーナリストとして活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。英国「The Guild of Motoring Writers」会員。

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