試乗記

【比較試乗】「ポルシェ911 カレラ4S vs ランボルギーニ・ウルス vs ロータス・エヴォーラ vs シボレー・カマロ vs マツダ・ロードスターRF」世界中のアスリートたちが集結!

MAZDA ROADSTER RF/マツダ・ロードスターRF

刺激は強烈じゃないけど……

RFがデビューしたとき、開発スタッフに“エンジンがもう少し回るといいのになぁ”と試乗中の一人ゴチを伝えたら、何と“もう少し待ってください”とポロリ。それが、’18年にホントになったというワケ。エンジンは7500rpmまでガンガン回り、でも184psしかないから与えてくれる刺激は強烈じゃない。けれどもワインディングロードを走らせれば、アクセル操作を駆使して高回転域をキープしながら自ら引き出すパフォーマンスに“オレ様だからできる”的な自尊心をまでくすぐってくれるんだよね。(萩原秀輝/H.Hagihara)

本当に運転が好きなら選ぶべき1台

速さと利便性の調和。小型スポーツカーとしてのポテンシャルを楽しむなら2LのRF。でもライトウェイトスポーツカーの本質を問うならやっぱり1.5Lのソフトトップ! いつもロードスターに乗ると答えが出ない。残念なのはデフレ日本において、その価格がどうしても高価に感じられてしまうこと。走りとデザインの良さはもはや語るべくもない。本当に運転が好きなら選ぶべき1台だ。初代NAのような、庶民の宝物感が消えてしまったことだけが残念でならない。もう一度ロードスターに乗りたい!(山田弘樹/K.Yamada)

初代からのコンセプトを守り続ける

パワー競争に巻き込まれず、というよりもハナから参加する気持ちなどさらさらなく、軽量コンパクトでシンプルな構造のFRのスポーツカー作りをコツコツとやってきたマツダとロードスターは、ロータスに少し似ているかもしれない。初代ロードスターを作るにあたりロータス・エランの研究もしたそうで、親和性があるのも頷ける。初代からの基本コンセプトを忠実に守り続ける点ではちょっと911のようでもある。変革より継続のほうがずっと難しく、ロードスターの評価は30年の歴史への評価でもある。(渡辺慎太郎/S.Watanabe)

間違いなく日本を代表するスポーツカー

ロードスターの歴史は今年で丁度30年。911のそれとは比べるべくもないが、初代からのブレなさという点は世界でも例がないだろう。現行ND型の車重は1トンと、オープンスポーツにおいては破格の軽さを誇り、そこにあえて回転フィールや伸びの軽い1.5Lユニットを組み合わせる。そのこじらせ気味な幌仕様のスペックに対して、RFは発売当初よりパワーアップされた2Lユニットを搭載するが、ピュアネスという点でいえば幌屋根に勝るものはない。共に間違いなく日本を代表するスポーツカーだ。(渡辺敏史/T.Watanabe)

911とは対極のスポーツカー

911は最新が最良であり、モデルチェンジのたびに速さも増す、ある意味で常識的なスポーツカーだが、現行のNDロードスターは先代よりも遅くなったという非常識なスポーツカーだ。でもそれこそがロードスターのより所。基本は初代NAぐらいの重量とパワーのバランスが、気持ち良さの要であり、そこを大きく外すことはあってはならないということだ。RFはエンジンの改良が加わったことで使い切る快感がソフトトップ並みになった。速さではなく感性で語るロードスターには重要な進化・熟成だ。(石井昌道/M.Ishii)

いつでも、どこでも楽しい

ハイパワー車が相手でも見劣りしないロードスターで走るのは、いつでも、どこでも楽しい。パワーが限られている分、エンジンを目一杯まで回して、ロスのないラインを見つけてきれいにトレースしていく。軽量で好バランスのロードスターなら危なげなく走りを楽しめる。RFでもそうした魅力は基本的には一緒。車体が重く、それに合わせて排気量も拡大されているが、バランスは取れている。このクルマとのこの上ない一体感は、どんなハイパワー車が相手でもまったく見劣りしない圧倒的な魅力。(島下泰久/Y.Shimashita)

フォト=柏田芳敬/Y.Kashiwada ル・ボラン2019年11月号より転載
CARSMEET web編集部

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