吸収性はピカイチ! すでに熟成の足まわり
ハイレベルオールラウンダー。この言葉は、どこのショップも称されるのを望んでいる。しかし、実際はバランスこそ優れていてもイマイチ。武器がないのだ。武器というのは、他と違う決定的な優位性。それがあってこそ、ハイレベルオールラウンダーという敬称を吟味する土俵に名乗りを上げることが許されると思う。
スロコンを装着することで、スポーツ志向のユーザーにも対応。これだけでかなりスポーティになる。
ウィッツのJB64も目指すはハイレベルオールラウンダー。では、武器は? ウィッツにはビルシュタインという武器がある。江頭氏は、JB23から培ってきたビルシュタインマイスターとしての実績がある。今回のJB64ではかなり苦労したと聞いている。
携帯アプリでコントロールできる、TDIチューニングを装着。フィールの変わるオススメアイテムだ。
では実走して検証だ。まずオンロード。今回の仕様は2インチアップのスタビ付き。回頭性はニュートラル。レスポンスは小気味よくクイックすぎない。しっとりとしたハンドリングが好感持てる。クルマの挙動が穏やかで、多少の荒れた路面でも気にせず走れる。基本的に乗車フィールは柔らかく、乗り味はいい。ハードな印象は皆無と言っていい。それでいて一定量のロールで車体姿勢が決まる。これはスポーツ志向のユーザーが乗っても楽しく走れる。
スロットル直前に装着するチャンバー。瞬間的なアクセルオンに対してのレスポンス向上パーツだ。
次にオフロード。江頭氏の要望で、ダートをチョイス。当日の路面は、かなり荒れ放題。「いいの?」と聞くと、「どうぞ!」という返答。遠慮なしにアクセルをWFO。サスペンションがよく動いていなしてくれる。ギャップの吸収性が良い。安心感が高く、ドライバーにゆとりを感じさせてくれる。
ビルシュタインのステアリングダンパー。これ、重くならず効きはバッチリ!
クロカンステージも走ってみたのだが、さすがにスタビ付きではフロントのストロークは期待できない。しかし、接地感が分かりやすく扱いやすい。
江頭氏が煮詰めたビルシュタインダンパーと、オリジナルのコイルスプリングの組み合わせはかなりイイ。
現状、トータルバランス的にハイレベルオールラウンダーの最右翼と言えるサスペンションだ。
自由長はけっこう長く、今回はスタビ付きだが、ぜひスタビなしでのオフロードも試乗してみたい。