ニュース&トピックス

「感電リスク」への回答。メルセデス・ベンツが欧州消防隊との“実車破壊訓練”で示した「8つの安全障壁」《LE VOLANT LAB》

写真は特殊大型ハサミを事故で破損したウインドウに突っ込みフロントサイドドアを開けようとしているところ。
2016年に完成したジンデルフィンゲンの近代的なメルセデス・テクノロジーセンター(MTC)で、「MB 4 Rescue」パイロットイベントが2025年11月に開催された。
2016年に完成したジンデルフィンゲンの近代的なメルセデス・テクノロジーセンター(MTC)で、「MB 4 Rescue」パイロットイベントが2025年11月に開催された。
BEVでもメルセデス・ベンツは安全性のパイオニア:2023年10月、EQAとEQS SUVのフロントオフセット衝突を公に実施した世界初の自動車メーカー。
BEVの客室と高電圧バッテリーは無傷で、ドアが開錠され高電圧システムが自動的にシャットダウンされるなど高い安全性が確認された。緊急時には、乗員が自分で車両を降りることや、救助隊員が乗員を車両から救助することが可能となる。写真はテスト車両EQA300(BEV)のドア電圧をチェック。
メルセデス・ベンツの「Defining Electric Safety」キャンペーンで、世界で最も安全な車を製造する8段階の安全コンセプトが、車両のフロアにあるバッテリーを保護する。
メルセデス・ベンツの「Defining Electric Safety」キャンペーンで、世界で最も安全な車を製造する8段階の安全コンセプトが、車両のフロアにあるバッテリーを保護する。
MB 4 Rescueは、ドイツ消防推進協会(VFDB)との共同開発であり、ドイツ、オーストリア、スイス、オランダの消防専門家との交流を深め、救急隊員が最新のメルセデス・ベンツモデルで救助訓練する機会を提供するものである。写真は座学。
MB 4 Rescueは、ドイツ消防推進協会(VFDB)との共同開発であり、ドイツ、オーストリア、スイス、オランダの消防専門家との交流を深め、救急隊員が最新のメルセデス・ベンツモデルで救助訓練する機会を提供するものである。写真は現場での訓練。
MB 4 Rescueは、ドイツ消防推進協会(VFDB)との共同開発であり、ドイツ、オーストリア、スイス、オランダの緊急対応要員のインストラクターに加え、メルセデス・ベンツAGのドイツ国内ほぼ全工場の消防隊が参加。救助隊員は、CLA、EQE(BEV)、EQS(BEV)、GLE、CLEといった現行のメルセデス・ベンツモデルで訓練を受けた。手前には各種の特殊救助工具がある。
写真は特殊大型ハサミで、頑丈なサイドドアを開けようとしているところ。
写真は特殊大型ハサミを事故で破損したウインドウに突っ込みフロントサイドドアを開けようとしているところ。
写真は特殊ドリル工具でフロントサイドドアを開けようとしているところ。
写真は特殊ドリル工具でリアサイドドアを開けようとしているところ。
写真は特殊ドリル工具&特殊大型ハサミでリアパネルを外そうとしているところ。
各モデルの安全構造の特徴を説明する車両群。手前の写真はEQS(BEV)のインテグラルセーフティコンポーネントボディシェル:各種材料はさまざまな色で示され、押し出しアルミニウムプロファイルのドアシル構造など、車両の衝撃吸収分散ゾーンを形成。車内は、シートベルトやエアバッグなどの各拘束システムが分かる。運転支援システムや受動的安全性システム作動に関する情報を提供するセンサーは黄色で明示。

最新モデルを破壊して学ぶ「リアルライフ・セーフティ」の最前線

メルセデス・ベンツは2025年11月、欧州の消防機関とユニークなパートナーシップを結び、ジンデルフィンゲンのメルセデス・テクノロジーセンター(MTC)にて人命救助の共同訓練を実施した。CLAやEQEといった最新モデルの実車を用い、消防隊員が高度な安全構造への理解を深めることで、迅速な救助と交通事故死者ゼロの実現を目指す。自動車メーカーとレスキューの現場が連携する、画期的な取り組みの模様をお届けする。

【画像15枚】特殊カッターが最新メルセデスのピラーを断つ。実車破壊訓練の緊迫した現場と、露わになった「8段階の安全障壁」を見る

CLAEQEが「教材」。欧州消防機関との画期的なパートナーシップ

世の中はクリスマスシーズン到来、年末年始と慌ただしくなってきた。メルセデス・ベンツは2025年11月に、欧州の消防機関と独自のパートナーシップを締結し、消防隊員との初の共同訓練を実施した。特筆すべきは、この事故衝突の救助活動訓練がCLA、EQE(BEV)、EQS(BEV)、GLE、CLEといった現行のメルセデス・ベンツモデル車両を用いて実施されたことだ。

つまり、メルセデス・ベンツがドイツ消防推進協会(VFDB)と共同で実施するこの取り組みの目的は、欧州の消防隊員に最新車両での訓練機会を提供することにあった。これにより、緊急時の対応時間が短縮され、安全性が向上し、消防隊はより多くの人命を救うことができる。

2016年に完成したジンデルフィンゲンの近代的なメルセデス・テクノロジーセンター(MTC)で、「MB 4 Rescue」パイロットイベントが2025年11月に開催された。

2016年に完成したジンデルフィンゲンの近代的なメルセデス・テクノロジーセンター(MTC)で、「MB 4 Rescue」パイロットイベントが2025年11月に開催された。

世界保健機関(WHO)の推計によると、世界中で毎年約130万人が交通事故で亡くなっている。安全技術のパイオニアとして、メルセデス・ベンツはこの数字を大幅に削減するという使命を掲げている。メルセデス・ベンツの目標は「Vision Zero(交通事故死者ゼロ)」であり、2050年までに交通事故による死亡者をゼロにすることを目指している。交通安全は、メルセデス・ベンツの持続可能な事業戦略の重要な部分を占めている。なお、衝突試験車両は、持続可能性の観点から再利用されている。

この記事はLE VOLANT LAB会員限定公開です。
無料で会員登録すると続きを読むことができます。

フォト=メルセデス・ベンツAG

AUTHOR

1949年生まれで幼少の頃から車に興味を持ち、40年間に亘りヤナセで販売促進・営業管理・教育訓練に従事。特にメルセデス・ベンツ輸入販売促進企画やセールスの経験を生かし、メーカーに基づいた日本版のカタログや販売教育資料等を制作。またメルセデス・ベンツの安全性を解説する独自の講演会も実施。趣味はクラシックカー、プラモデル、ドイツ語翻訳。現在は大阪日独協会会員。

注目の記事
注目の記事

RANKING