現行シビック待望のハイブリッド・スポーツ
ホンダ・シビックのハイブリッドモデルに待望のスポーティグレード「RS」が追加された。1.5Lターボのガソリン車にしかなかったRSだが、今回はe:HEVと電気式無段変速機の組み合わせで登場。ベースとなる上級グレード「EX」との乗り比べから、専用サスペンションによるしなやかな足回りと、仮想有段シフト「S+Shift」がもたらす痛快な走りの真価を、ライターの竹井あきらさんが徹底レポートする。
【画像20枚】やる気を高めるメーター演出とDシェイプステアリング。新型「シビック e:HEV RS」の内外装を写真でチェック
なぜ今、e:HEVに「RS」が追加されたのか
ついにシビックのハイブリッドモデル「e:HEV」にスポーティグレードの「RS」が追加された。あれ? 現行シビックのRSってもうあったよね、とおっしゃる声も、さもありなん。だがそのRSは1.5LターボVTECを搭載するガソリンモデル、しかも6MTのみというかなりツウ好みで、ぶっちゃけ一般受けしない仕様となっている。なにしろ新車販売の約半数はハイブリッド、そしてAT率は98~99%という世の中なのだ。

ホンダ・シビックe:HEV RS
シビックといえばタイプRしか眼中にないスパルタン星人のみなさまだって、ガソリン価格の看板とはよく目が合うに違いない。それからよく考えてみてほしい。自宅やよく行く先の駐車場が車幅制限1850mm以下の機械式駐車場だったりしないだろうか? タイプRは全幅1890mmである。極めつけにクルマを共有するご家族がAT限定だったりして。
というわけで待望のハイブリッド搭載にして、AT仕様、正確には電気式無段変速機仕様のシビックRSの登場である。
まずはベースモデル「EX」でハイブリッドの進化を体感
シビックe:HEV RSの試乗会場には、ベースとなるシビックe:HEVの上級グレード「EX」も用意されていて、ありがたいことに素とRSの乗り比べができるようになっていた。さっそくRSに乗りたい気持ちをグッと抑え、まずは素のシビックe:HEVに乗ってみると、めちゃめちゃいいクルマだった。
今回高速道路は試していないが、中低速での乗り心地はよく、コーナリングも爽やかで、すわフルバンプか、という段差もしなやかにいなす。アクセルレスポンスはオンに対してもオフに対してもきちんとリニアリティがある。

ホンダ・シビックe:HEV RS
エンジンが駆動力を担うのは高速巡航時のみで、中低速域ではエンジンは主に発電を担っているとは信じがたいほど、パワフルな加速は頼りがいのある2L直噴エンジンを感じさせ、しかもエンジンだけではカバーしきれないような領域でもパワフルだ。
要はハイブリッドにイメージするネガがきれいに潰された、若々しくフレッシュな走りっぷりで、これぞシビック! とうれしくなった。大満足。
やんちゃさを秘めたルックスと、微低速域から効く「いいモノ感」
キャッチコピーの通りに爽快な走りのベースモデルに満足してしまったので、スポーティモデルのRSはやんちゃすぎたりするのかな、と思いながらe:HEV RSと対峙する。
なにしろ赤いRSエンブレムを備えたボディにはブラック化されたヘッドライトリングやシャークフィン、バンパーロアガーニッシュが配され、マットブラックペイントの専用18インチホイールが足元を引き締めるという緊張感のあるルックスだ。運転席に乗り込めば、ステアリングホイールは下が平らになったDシェイプで、インストルメントパネルやドアトリム、シートにも赤いラインやステッチがスポーツ仕様であることを主張している。

ホンダ・シビックe:HEV RS
はたしてノーマルモードで走り出してみると、まず街乗りレベルでは、やんちゃどころかひとクラス上の大人っぽさ。足回りのいいモノ感がはっきりと感じられる。
RSは前後サスペンションのスプリングやスタビライザー、ブッシュの剛性を上げるとともに、ダンパー径を拡大し、バルブを最適化しているというが、これらが微低速域から効いている。そして新開発のグッドイヤー製タイヤのおかげもあってとても静かで乗り心地がいい。いやあ、あれほど素のe:HEVに満足していたのに、人間の欲というのはキリがないものですね。
いざ峠へ。仮想有段シフト「S+Shift」がもたらす痛快極まる走り