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【ブガッティ】最高速453km/hとオペラ座の静寂。W16ミストラル最終車両に宿る孤高の真髄

次世代ハイパーカーへの布石とは

ブガッティは2026年7月16日、W16エンジンを搭載する最後のオープントップモデル「W16ミストラル」の生産終了を発表した。

【画像13枚】限定99台の頂点。W16ミストラル最終車両を細部まで堪能する

最終車両の専用ディテール

仏モルスハイムのアトリエ(本社工場)からロールアウトした最終車両は、「パール」と「スパークル」のツートンカラーとなっており、「その種類のものの最終形(The last of its kind)」というW16ミストラルのコンセプトを体現する、特別な仕様で仕上げられた。

インテリアには「マグノリア」および「マットグレーカーボン」を採用。キャビン内には「その種類のものの最終形」という文言と車両のシルエットが刻まれた専用プレートが配置されている。

こうしたデザインには、時速400km/hを超えながらも快適にオペラ座へ向かうことができるという、フェルディナント・ピエヒがW16エンジンに求めた野望が反映されている。さらに、ブランド創設者エットーレ・ブガッティへのオマージュとして、ヘッドレストの刺繍やドアシルのアルミニウム装飾などに彼のサインがあしらわれた。

アームレストにはラリック社と共同制作されたフロストクリスタルガラス製の「風の精(Spirit of the Wind)」プレートを装備。さらに、中東の顧客の意向を反映したパーソナライズとして、ギア・シフトの頂部には通常の象のモチーフに代わり、同地域で重要視されるハヤブサの頭部が配置され、ドアパネルには「アンスラサイト」でスケッチの刺繍が施されている。

自動車史に残るスピード記録と独自のカスタマイズ

この最終車両の完成は、ブガッティが将来の次期モデル「トゥールビヨン」の生産拠点となる新施設「ラ・マニュファクチュール」をモルスハイムに開設したわずか数日後の出来事である。ヴェイロン、シロン、そしてW16ミストラルへと受け継がれてきたW16エンジンの公道モデルとしての歴史が幕を閉じる一方、同社はすでに次世代のハイパーカー生産へと舵を切っている。

W16ミストラルは2022年のモントレー・カー・ウィークで初公開された。2024年11月には、公式ドライバーのアンディ・ウォレスの操縦により、最高時速453.91km(282mph)を記録し、世界最速のオープントップ量産車としての地位を確立。2026年に開催されたシルバーストーン・グランプリでは、この記録を樹立したワールドレコードカーが正式にオーナーへ引き渡された。

また、ブガッティのカスタマイズプログラム「シュール・ムジュール(Sur Mesure)」を通じて、顧客の要望を反映した多様なモデルが製造された。最近では、ベルリン王立磁器製陶所(KPMベルリン)の技術を取り入れ、デジタルデザインと手作業を融合させたワンオフモデル「ブラン・エテルネル(Blanc Éternel)」も発表されている。

総生産台数99台で幕を閉じるW16エンジンの歴史

W16ミストラルの総生産台数は99台であり、そのすべてがオーナーの要望に合わせてカスタマイズされ、20年間にわたるブガッティのエンジン哲学を受け継いできた。ブガッティのシュール・ムジュールおよび個別化担当マネージャーであるヤシャ・ストラウブは、次のように述べている。

「この車において私たちは、W16ミストラルが最初のスケッチから表してきたすべてを結集させたいと考えました。それは、比類なきW16のキャラクターに敬意を表する素晴らしいオープントップのドライビング体験と、ブランドの豊かな遺産、特にエットーレを彷彿とさせるディテールです」

「カラーコンビネーションは非常にエレガントであり、細部に至るまでW16ミストラルの精神に忠実です。これは極めてパーソナルな車であり、生産を締めくくるにふさわしい一台です」

また、マネージング・ディレクターのヘンドリック・マリノフスキーは次のようにコメントしている。

「W16ミストラルは、常にW16エンジンの究極のオープントップ表現として構想されてきました。ルーフを下ろし、その素晴らしいエンジニアリングの傑作を最も純粋な形でお客様に感じていただけるように作られた車です。ラ・マニュファクチュールを開設してわずか数日後に、このモデルの生産が完了したのを見ることは、携わったすべての人にとって特別な瞬間であり、ブガッティからこれから生み出されるものへの完璧な布石となります」

【ル・ボラン編集部より】

400km/hの世界とオペラ座の静寂。ピエヒがW16エンジンに託したこの途方もない野望は、ミストラルというオープンモデルの終焉をもってひとつの頂点に達した。狂気とも言える最高速を追求しながら、キャビンにはラリックのクリスタルが鎮座する。この極端な二面性の成立こそが、近代ブガッティの真骨頂である。荒々しい風を名に冠しつつも、その本質は極めて洗練されたGTなのだ。内燃機関の極致たるW16の咆哮が風に溶けゆく様は、次世代への最も美しく、そして残酷な決別劇と言えるだろう。

【画像13枚】限定99台の頂点。W16ミストラル最終車両を細部まで堪能する

※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。
Photo: Bugatti

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