清水和夫のDST

制動距離ではBMW440iを上回ったトヨタ・クラウンだがフィールの部分では不満も残る!?【清水和夫のDST】#95-2/4

制動距離では440iを上回ったクラウン、ただしフィールの部分では不満が残る

BMW 440i GRANCOUPE M SPORT
加速0.49G(★★★★☆)減速1.04G(★★★★☆)

シルキー6と呼ばれる直列6気筒の加速フィールは、速いかどうか以上に、エンジンサウンドやスロットルレスポンスが気持ちいい。下から上まで淀みなくスムーズに回るところが痛快で、加速力も文句なし。トルコンATのチューニングもドライバーズカーとして納得できる性能だ。ブレーキは初動制動も高く、タイヤが“キュッ”と鳴くギリギリの領域までロック率を攻めている。さらにペダルの剛性感も高く、最終的にはABSがきめ細かく介入するが、ABSの作動音もあまり聞こえてこない。電子デバイスのチューニングが絶妙だ。100→0km/h減速時の制動距離は 38.74m。

 

TOYOTA CROWN 2.0 RS ADVANCE
加速0.33G(★★★☆☆)減速1.06G(★★★☆☆)


レクサス譲りの熟成版FRプラットフォームを採用する新型クラウン。徹底的に走りを鍛えただけに、全体的にスポーティな仕上がりだ。テスト車は2Lターボの8速トルコンATだが、トヨタらしく発進性能は大人しい。パワー的に控えめで、ターボのパンチが効いた加速感を期待していたのだが……。ブレーキパフォーマンスは、初期に踏み込んだ時の効きこそ悪くないが、ペダルを踏んだ感触はややスポンジー。さらに強く踏み増しても、減速度はあまり変わらず、ブレーキは鳴きの解消にプライオリティをおいてセッティングしたようだ。100→0km/h減速時の制動距離は37.09m。

リポート:清水和夫/K.Shimizu フォト:篠原晃一/K.Shinohara ル・ボラン 2019年1月号より転載

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