海外試乗

【新型アウディRS 5試乗】639psのPHEVはどう走る? 84kmのEV航続と公道不可「ドリフトモード」の強烈なコントラスト《LE VOLANT LAB》

アウディ RS 5
アウディ RS 5と筆者
アウディ RS 5と筆者
アウディ RS 5

電動化が引き出した次世代スポーツの最適解。新型アウディRS 5海外試乗

電動化の波は、ついにスポーツモデルにも本格的に押し寄せてきた。アウディスポーツが新型「RS 5」で初めて投入したのは、高性能プラグインハイブリッド(PHEV)モデルだ。システム最高出力は470kW(639ps)、さらにオプションで最高速度285km/hを実現するなど、その数値からも圧倒的なスポーツ性能が伝わってくる。一方で、最大84kmのEV走行距離を備えている点も見逃せない。果たして、このRS 5は日常性とスポーツ性能をどこまで高次元で両立しているのか。今回は、その実力を確かめるべく、オーストリア・ザルツブルク州で開催された試乗会に参加した。

【画像39枚】異彩を放つカーボン・カモフラージュとは? 専用色を纏った新型アウディRS 5の全貌をギャラリーでチェック

ひと目で伝わる圧倒的な存在感。専用ワイドボディと精緻な空力デバイス

ザルツブルク空港に到着すると、すぐに駐車場へ案内され、そこには新型RS 5が並んでいた。クルマのデザインは第一印象が非常に重要だが、このRS 5はひと目見た瞬間から強い存在感を放っていた。

21インチホイールを装着したボディは力強く、ベースモデルよりもワイドかつ大柄なスタンスを持つ。フロントには、ブラックのハニカムメッシュを採用した立体的なシングルフレームグリルを配置。その両脇にはエアカーテンが備わり、空力性能を高めている。リアには空力を意識したディフューザーと、マットブラック仕上げの楕円形RSスポーツエキゾーストエンドが装着され、RS 5全体に圧倒的な自信と迫力を与えている。

システム最高出力639ps。新開発quattroと高度なシャシー制御

まずは簡単に技術的なスペックから触れておこう。搭載されるのは最高出力375kW(510ps)と最大トルク600Nmを発生する2.9L V6 TFSIビターボエンジン。さらに、8速AT内に組み込まれた130kWの電気モーターが460Nmを発生する。システム総合では470kW(639ps)、そして実に825Nmという強大なトルクを誇る。

加えて、2バルブダンパーテクノロジーを採用したRSスポーツサスペンション、新開発のquattro(クワトロ)ダイナミックトルクコントロールも搭載。セルフロッキング式センターデフが前後の駆動力配分を担当し、さらに新開発のリアアクスルギアボックスによって左右後輪へのトルク配分を最適化している。

日常使いは完全EVで。快適なクルージングから15連続ヘアピンのダイナミクスまで

試乗はザルツブルク空港からスタート。走り出しは「Balanced」モードによる完全EV走行だった。ここでまず感じたのは、RS 5の日常性の高さだ。シートは身体に完璧にフィットし、「Balanced」モードや「Comfort」モードでは、とても639psのハイパフォーマンスモデルとは思えないほど快適。路面のギャップもほとんど感じることなく、街中を非常にスムーズに流していける。最大84km(EAER)のEV航続距離を持つため、都市部の日常移動程度なら、ほぼ電気のみで十分対応可能だ。

その後、試乗ルートは有名なグロースグロックナー・ホッホアルペン街道へと続く。この道路は私道のため通行料が必要だが、その分交通量が少なく、スポーツ走行には理想的な環境となっている。

ここで「Dynamic」モードを試してみたが、その期待は完全に裏切られなかった。RS 5は15連続のヘアピンカーブを、まるで待ち望んでいたかのように駆け上がっていく。リアは積極的にスライド方向へ向かうものの、常に高いコントロール性を保っており、その絶妙なセッティングが走りの楽しさを大きく高めている。

ESCはオフになっているかと思うほどスポーティな介入設定だが、実際には限界領域まで踏み込まない限り介入してこない。ステアリングは驚くほどダイレクトかつ正確で、アジリティとダイナミクスは圧巻のひと言だった。

この記事はLE VOLANT LAB会員限定公開です。
無料で会員登録すると続きを読むことができます。

注目の記事
注目の記事

RANKING