名車サンクのデザインと最新のBEV技術を融合。ルノーが放つ新世代コンパクトEVの改良モデル
ルノーは2026年8月25日、BEV「5(サンク)E-TECHエレクトリック」の改良モデルを発表し、欧州市場での受注を開始した。このモデルは2024年秋に欧州で発売されたコンパクトEVだが、今回のアップデートにより、空力性能の向上に伴う航続距離の延長や、新開発のLFPバッテリーを搭載するエントリーグレードの追加など、さらなる進化を遂げている。なお、日本市場への導入は現時点で未定だ。
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空力性能とバッテリー制御の最適化で航続距離を延長
今回の改良における大きなトピックは、既存バージョンの航続距離が延長されたことだ。車体下部の形状変更や新しいバックミラーの採用といった空力性能の向上にくわえ、バッテリー制御システムを最適化することで効率を高めている。
これにより、90kWモーターを搭載するバッテリー容量40kWhの「アーバンレンジ」はこれまでの312kmから最大315kmへ、110kWモーターを積む52kWhの「コンフォートレンジ」では410kmから最大430kmへと、それぞれWLTPモードでの航続距離が向上し、日常からロングドライブまでの実用性が引き上げられた。
LFPバッテリー搭載の新エントリーグレード「Five(ファイブ)」を追加
さらに数週間以内には、新しいエントリーグレード「Five(ファイブ)」が導入される。従来のパワートレインから、トゥインゴE-TECHエレクトリックと同系列の小型軽量な新世代80kWモーターへと換装されるのが特徴となっている。
バッテリーには、サイズと重量に対するエネルギー密度を最適化したセル・トゥ・パック技術による36.5kWhのLFP(リン酸鉄リチウム)バッテリーが採用された。この新構成により最大305kmのWLTP航続距離を実現しながら、0-50km/h加速はわずか3.5秒とレスポンスに優れた走りを提供する。くわえて6.6kWのAC充電器に並び、80kWのDC急速充電器を標準装備することで利便性も確保されている。
新機能「スマートドライビングモード」と内外装のアップデート
内外装のアップデートも見逃せない。ボディカラーには数週間以内に新色「フレームレッド」が追加されるほか、ルーフ色やデカールの新たな選択肢も設定される。また、アイコニックグレードのシート表皮はヘザーイエローからヘザーブルーへと変更された。
機能面では、過熱を防ぎながら1時間で最大50%の充電が可能なQi2対応のマグネット式ワイヤレス充電器を新採用している。また、運転スタイルに応じてエコやスポーツなどの走行モードを自動で切り替える「スマートドライビングモード」を新たに導入した。通信関連では、月間2GBのデータ通信が3年間付帯する。さらに、オプションのOTAアップデートを通じて、Googleの対話型AIアシスタント「Gemini」が車載システムに統合される。自然な会話での操作や途中での言語切り替えにも対応し、よりシームレスなユーザー体験を提供する。なお、この新シリーズは2026年10月のパリオートショーにて一般公開される予定である。
【ル・ボラン編集部より】
かつての「5(サンク)」がクラスを超えた上質さで日常を彩ったように、現代の「5 E-TECH」も単なる懐古趣味にとどまらず、都市の足としての最適解を提示している。今回の改良である空力改善やLFPバッテリーの採用は、EVの実用性を着実に底上げするものだ。最新AIなどの先進技術を盛り込みつつも、ルノーらしい「普段着の使い勝手」を失っていない点が喜ばしい。名車のアイコニックな魅力を最先端のBEVへと昇華させた設計思想には、確かなフランス流の合理主義が息づいている。
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