一部改良が行われたレクサスLC500にコンバーチブル が新設定された。日本の美意識が宿る繊細なデザインやマテリアル、最先端のテクノロジーを備えて、レクサスの新たな世界への挑戦が始まった。そのニューモデルの真髄とは何か? ジャパンクリエイティブの宝庫、福島を旅する中でその答えが見えてきた。
レクサスが追い求める美の本質が表現されている
2017年にレクサスの最上級クーペとしてLC500/LC500hが登場した時の衝撃は、とても大きなものだった。デザイン、走り、そしてクラフトマンシップといったプレミアムカーを構成するあらゆる面でレクサスが新しい、そして独自の地平を切り拓こうとしていることを示したLCは、まさにブランドのフラッグシップらしい存在として君臨している。
そして2020年。国内レクサス開業から15年という節目の今年、そのLCが一部改良を行い、同時に待望のオープンモデル、LC500コンバーチブルがラインナップに加わった。
“和テイスト”などとは真逆の、本質的な日本の美意識を、グローバルなプレミアムカーの文脈の中で表現しようと挑み続けてきたレクサス。今回は、そのひとつの到達点とも言える、この贅沢なクーペとコンバーチブル2台を連れ立って旅に出た。目指したのは福島県。伝統を踏まえながら今を志す場所、モノ、ヒトを追いかけてのロングドライブである。
室内に乗り込むのが惜しい……。眺めていて、そんな思いを抱かせるクルマは他にはそうはない。LCのエクステリアは優雅であり、同時に力強い。鍛え抜かれたアスリートの身体が、繊細な立体で描き出されたスーツをまとっている。喩えるなら、そんな感じだ。
今回のマイナーチェンジでは外観には一切手は入れられていない。しかしいまだ色褪せることを知らないその魅力の前では、当然そうあるべきだと言っていいだろう。
ソフトトップを用いた2+2のコンバーチブルの美しさにも、まさに目が釘付けになった。ルーフを閉じたときのコンパクトなフォルムもいいし、開けたときの単に水平基調に収めるのではなく、キャビン後端をキックアップさせることで演出された2シーター的なパーソナル感も惚れ惚れさせられるもので、特にそのリアビューには心揺さぶられてしまった。