Garage Life

国産旧車の聖地にカフェがオープン。名車と自然が楽しめるカフェ&旧車ミュージアム【GarageLife】

およそ1,200坪の広大な敷地にできた、豊かな緑と世界でも稀少な名車たちと過ごせるカフェ&旧車ミュージアム。

緑が豊かなコントラストを奏でる中、旧車を眺めながらのティータイムが楽しむ場所が、愛知県に誕生した。それが「Rocky Cafe (ロッキーカフェ)」だ。開業して1年ほどが経過、メニューもますます充実した、穏やかな時間を過ごすことができる場所を訪ねた。

愛知県岡崎市小美町。ここに創業36年になる国産旧車の専門店、「ロッキーオート」がある。全国に質のいいレストアやカスタマイズをして販売。多くの旧車ファンには名の知れた名店でもある。そのロッキーオートの渡辺喜也代表が、もっと多くの人にいいクルマを気軽に見てもらいたい、と2021年4月にオープンしたのがロッキーカフェだ。カフェと併設してミュージアムもあるので、クルマ好きなら見逃せない。

カフェがあるのは、ショップからクルマで5分ほど離れた、愛知県岡崎市茅原沢町。川沿いの、緑豊かな空気がきれいな場所だ。新東名高速道路・岡崎東インターから約5分の場所と、クルマの場合はアクセスに便利だ。およそ1,200坪ある敷地にカフェと旧車ミュージアムが併設されており、名車と自然が楽しめる。都会の喧騒から離れた異空間、上質なカフェスペースだ。

ミュージアムは、カフェで注文したお客様に対してなんと無料で開放しているという。渡辺代表に設立の理由を聞いたところ
「クルマ屋さんだと、クルマを購入したい人、昔のお客さんじゃないとクルマを見てもらうことがなかなかできない。そこで気軽に立ち寄れるカフェとして、いいクルマ、歴史のあるクルマを見てもらう場所を提供したかった」
とのこと。その構想が現実になるタイミングで、娘さんが戻ってくる話があり、オープンの準備を進めていったという。

カフェのメニューはホットコーヒーをはじめココアなどドリンクが中心だが、クレープなどの軽食も用意しているという。中でもおススメは「宇宙一のココア」。産地にこだわったココアパウダーをベースに味にこだわり、1杯、1杯丁寧に入れたドリンク。川の流れも見える特等席で味わうココアは、格別に違いない。店内は落ち着いていてホテルのラウンジを思わせる優雅な室内。大きな窓からは陽光が入り、非常に明るい店内となっている。

【写真14枚】限定50台! トヨタも認めた「R3000GT」はここでしか見られない! 

カフェと併設しているのがミュージアムには、これまで「ロッキーオート」で販売するために整備していたクルマ、特に名車と呼ばれる貴重なクルマたちが並んでいる。日本の黎明期から生まれた日産の名車、1972年式「日産・スカイラインGT-R」や1968年式「トヨタ・2000GT 前期」、そしてアメリカの「ダッジブラザーズ・フェートン」など世界でも稀少なクルマを見ることが可能だ。

また、ロッキーオートが開発した「R3000GT BONDCAR」も展示。このクルマは限定50台で販売している、2000GTのレプリカではあるが、直列6気筒3,000ccエンジンを搭載した、スーパーレプリカだ。ボディこそ2000GTのスタイルではあるが、ドライブすると現代のクルマのように運転できるというオリジナルカーなのだ。

アメリカで2013年にトヨタ2000GTが、1億2000万円でオークションで落札されたのを見て開発に着手。トヨタで開発に携わっていた細谷四方洋さんにも協力を得、トヨタ自動車にも許諾を得た上で、3年かけて2015年に誕生したのが「R3000GT」だ。

ガソリン車モデルとハイブリットモデルが存在し、今ではオリジナルの2000GTを所有しているが気軽にドライブできない人や、高額でもいいが旧車のアクシデントを危惧する人が購入しているとか。渡辺代表いわく「限定50台と決めているので、これ以上は造らない」という。

これまでは、ファクトリーにお邪魔しないと見ることができなかった名車が、カフェで注文すれば無料で拝観できるというのが、実に素晴らしい。どのクルマも整備されており、オイルさえメンテナンスすればドライブが可能というマシンばかり。もちろん、販売の相談にものってもらえるという。

1986年に創業した「ロッキーオート」は、クルマの販売で成長を遂げ、オリジナルのクルマも開発するまでに至った。そして昨年、集大成のように「ロッキーカフェ」と「ミュージアム」をオープンさせたここは、クルマ好きが集える聖地といってもいいだろう。

◆Rocky Cafe (ロッキーカフェ)
〒299-4508 愛知県岡崎市茅原沢町上平40-5
営業時間:11〜18時 定休日:月・火

『GarageLife Vol.92』掲載

Photo/Masatake-ISHIKO(石河正武) Text/Jun-Ishihara(石原 淳)
LE VOLANT web編集部

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