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JNCAPの2016年度結果が発表

スバル車が最高評価点を更新

 

最新モデルの安全性能を評価するJNCAP(自動車アセスメント=Japan New Car Assessment Program)の’16年度の評価結果が発表された。昨年12月に発表されていた前期分も含めて衝突安全性能は9車種11モデル、予防安全性能は22車種が’16年度の対象車となったが、国産車のみで輸入車はゼロ。衝突安全試験では市販車をディーラーで購入し、何台かをクラッシュテストで潰さなければならないだけに、予算的に輸入車を選ぶのは難しいのかもしれないが、クルマを壊す必要のない予防安全試験でも輸入車がゼロだったのはちょっと残念だ。

 

 

衝突安全性能試験は’95年の開始以来、試験方法や評価は年々進化しつつ20年以上の実績があり、その評価は日本車の安全性能向上に寄与してきた。対歩行者事故の多い日本の事情を考えて、歩行者保護性能を重視する姿勢が強まっているのもJNCAPの特徴のひとつだ。もうひとつの予防安全性能試験は’14年度に始まったばかりだが、衝突被害軽減自動ブレーキ(AEB)など先進安全機能が注目されていることもあり、’15年度の28車種にはおよばなかったものの22車種が俎上にあげられている。なお’16年度からは歩行者検知機能のあるAEBの評価も追加されており、こちらも歩行者保護重視の姿勢が強まっている。

 

 

衝突安全性能の評価結果は別表の通りだが、スバル・インプレッサ(XV含む)が208点満点の総合評価で199.7点を獲得し、3年ぶりに最高得点を更新(それまでの最高記録はトヨタ・クラウンハイブリッドの189.7点)し「衝突安全性能評価大賞」を受賞する。新プラットフォーム採用による高い乗員保護性能に加え、国産車初の歩行者保護エアバッグを採用し、さらにインジケーター点灯だけでなく警告音も発する後席シートベルト非着用警告装置が高く評価された結果だ。

 

 

また、最高評価の5つ星を得た「ファイブスター賞」を6モデルが獲得しているが、そのすべてがサイド&カーテンエアバッグ装着車であることも特筆できる。ヨーロッパ車では標準装備が当たり前となっているサイド&カーテンエアバッグがオプション設定、あるいは非設定の国産車はいまだ少なくないが、満足できる安全性能を確保するには欠かせないことが証明された形だ。

 

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予防安全性能評価に関しては、22車種中19車種が最高評価の「ASV++(ダブルプラス)」を獲得し、残り3車種も「ASV+」と評価されている。ただ、この評価はAEBなど先進安全機能を装備したクルマのみが対象で、同じ車名でも非装着車は対象となっていないところに注意したい。ちなみに’18年度からは夜間走行時の安全性能も加味される予定で、評価はより厳しくなると考えられる。今後、先進安全機能を装備するモデルは増えていくはずだが、その性能がどう評価されていくか興味深いところだ。

 

なおJNCAPでは事故が起きたときに情報が自動的に通報され、救命率を高める「事故自動通報システム」の普及も目指しており、今後はそうした装置の有無が評価に加えられる可能性もある。安全性能の追求に到達点はないと言われるが、事故の犠牲者を一人でも減らすために多様化する安全装備をどう評価し、いかにユーザーに分かりやすく伝えていくかも問われるところ。それを担うJNCAPの責任は重い。

 

JNCAP(自動車アセスメント)の情報はこちら

 

LE VOLANT BOOST編集部

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