フォルクスワーゲンが新型「ID.クロス」に37kWhバッテリー仕様を追加し先行販売を開始
フォルクスワーゲンは2026年10月19日、新型EV「ID. Cross(ID.クロス)」に正味容量37kWhのバッテリーを搭載した新仕様を追加し、ドイツでの先行販売を開始したと発表した。7月中旬に世界初公開された同モデルには当初52kWhバッテリー仕様が用意されていたが、さらにコンパクトな37kWh仕様が加わった形だ。都市部での走行や日常の通勤を主な用途としつつ、魅力的なエントリー価格を重視する顧客をターゲットとしており、ドイツ本国での価格は2万7995ユーロからに設定されている。
日常の移動から高速道路まで対応する走行性能と急速充電
新たに追加された37kWhバッテリー仕様は、購入費用や維持費を抑えながら、WLTPモードで最大324kmの航続距離を確保している。駆動システムは最高出力85kW(116ps)と99kW(135ps)の2種類から選択でき、装備ラインは「Trend」「Life」「Style」の3つが用意される。

最高速度は160km/hに達するため、都市部での利用だけでなく高速道路での走行にも対応する。また、出力90kWのDC急速充電が標準装備されており、約23分でバッテリー残量10%から80%までの充電が可能だ。
基本コンセプトはそのままに上位クラスの先進装備も用意
バッテリー容量が小さくなっても、力強く親しみやすいSUVデザインや高品質なインテリア、大型ディスプレイによる直感的な操作系、そして十分な室内空間と快適性といった「ID.クロス」の基本コンセプトは変わらない。

エントリー仕様の「Trend」であっても、前後のパークディスタンスコントロールや「App Connect」を介したスマートフォン連携機能など充実した標準装備を備える。さらに「Life」や「Style」では快適性とテクノロジー機能が追加されるほか、装備ラインによってはネットワークデータを活用して予測型運転支援を行う「Connected Travel Assist」といった上位クラスの技術も利用可能だ。このほか、Harman Kardon製サウンドシステムやパノラマサンルーフ、マッサージ機能付き12ウェイ電動調節シートなどのプレミアムオプションも選択できる。
【ル・ボラン編集部より】
世界初公開時からEV普及の起爆剤として期待を集めたTクロス後継の「ID.クロス」に、真打ちともいえる37kWh仕様が加わった。航続距離競争に背を向けた小容量化は一見控えめに映るが、電池重量の軽減は、高剛性スタビライザーや新開発ブレーキと相まって、Tクロス譲りの軽快で懐の深いフットワークをさらに研ぎ澄ますはずだ。直感的な操作系や広大な荷室という実用車としての本質を守りつつ、赤信号対応の先進支援まで網羅する。背伸びをせず日常の使い勝手と走りの良さを追求したこの仕様にこそ、VWが掲げる「顧客第一」の原点回帰が鮮明に息づいている。