
































ボルボが提示する「安全と走り」の究極形
2026年7月8日、ついにボルボの新フラッグシップEV「EX90」の日本導入が正式に発表された。次世代の安全基準と革新的なテクノロジーを詰め込んだ3列シートの最高峰SUVは、果たしてどのような進化を遂げているのだろうか。今回は自動車ライターの竹井あきら氏が、そのトップグレードである「EX90 Ultra Twin Motor Performance」をいち早く連れ出し、東京から日光へのロングドライブを通じて真価を検証する。
【画像33枚】これが知的生命体の正体。ボルボ新旗艦EV「EX90」の美しい内外装ディテールをすべて見る
グリルレスの精悍な顔つきと「アイアンマン」の眼差し
新たなボルボのフラッグシップ、EX90のトップグレード「EX90 Ultra Twin Motor Performance」を東京・青山のVolvo Studio Tokyoで借り出し、日光へと向かう。
さすがは3列7人乗りのフラッグシップSUVだけあって、堂々たる躯体だ。そのサイズは、2Lターボエンジンを搭載したマイルドハイブリッドとプラグインハイブリッドを擁するXC90と比較すると、EX90のほうが80mm長く、5mm幅広く、35mm低い。まあざっくり同じようなサイズなのだが、EX90はより低く構えた精悍な印象を受ける。そしてなんだか、知的生命体のような気配がある。
というのもフロントフェイスがその名の通り顔っぽいからだろう。EX90はBEVなのでいわゆるグリルがない。実際にはミリ波レーダーや超音波センサーの発信部が仕込まれているらしいのだが、きれいに馴染まされたボディ同色のつるっとした顔の中央にボルボのアイアンマーク、その両側にトールハンマーヘッドライトが細い目のように備わる。マーベルのヒーロー「アイアンマン」にも似たその目は、ライトオンするとギロリとまぶたを開き、奥からメインのLEDランプが現れる。
ヒーローの目は130万画素のハイディフィニション・ピクセルLEDヘッドライトとなっているそうで、ロービームからハイビームまで配光特性を最適化し、より安全に走行するための視界を確保してくれる。
「人は失敗する」を前提とした最新鋭のフェイルセーフ
安全性といえばボルボの十八番だ。車外に対しては360度リアルタイムで周囲を把握し、ヒーローが全力で守ってくれる。そして室内には、新たな2つの安全技術が搭載されている。
まずひとつめは、「ドライバー・アンダスタンディング・システム」というもので、2台のドライバーモニタリングセンサーがドライバーの視線の動きを、またステアリングホイールの静電容量センサーがステアリング操作などを検知し、独自に開発したアルゴリズムにより解析することでドライバーの状態を把握し、必要に応じ適切なサポートを行うという。
もうひとつが、「オキュパント・センシング(乗員検知システム)」という子どもやペットの置き去りを防ぐ世界初のシステムだ。60GHzのレーダーセンサーを使用し、ラゲッジスペースを含む車内全域で、小さな子どもの呼吸による胸の動きのような1mm未満の動きまで検知し、独自のアルゴリズムにより人やペットなのかを判断。置き去りを検知するとロックできないようにし、車載ディスプレイやアプリ等にリマインダーを表示。さらに人やペットが車内にいることを検知した場合、空調システムを作動させるという。
長年にわたって事故データを解析し、「人は失敗する」という事実に基づいて用意されたフェイルセーフシステムだ。
次世代コア「HuginCore」が統合制御する大容量バッテリー
これら安全装備も含め、走行性能や各種機能はソフトウェアによって統合されている。EX90はボルボ初のソフトウェア・デファインド・ヴィークル(SDV)であり、オーナーの手に渡ったのちも通信によるソフトウェアのアップデート、いわゆるOTAが可能となっている。その頭脳となるのが「HuginCore(フギンコア)」と名付けられた次世代コアコンピューティングシステム。ボルボ・カーズの独自開発技術と、NVIDIA、Qualcomm Technologies、Googleなどのサービスや技術を融合し、安全システムや駆動システム、インフォテインメントからバッテリー管理まで、車両のすべての機能を統合、制御している。
ハードウェアの要となるプラットフォームは、最新の「SPA2アーキテクチャー」を採用。搭載するバッテリーは106kWhと大容量で、一充電走行距離はWLTCモードで650kmを誇る。
実際のところ青山を充電95%で出発して、日光まで片道約180km強を走ったところで電池残量は57%、走行可能距離は280km。本当はボルボ初の800Vアーキテクチャーならではの急速充電効率の高さを試したかったのだが、事故渋滞にはまって返却時間が迫ったため、電池残量は10%を切り、「充電してください」という表示にドキドキしながら結局無充電で帰還した。この夏中には、海老名サービスエリア(上下)に最大出力350kWの急速充電器が設置されるというからぜひ飲みっぷりを体験しに行きたいものだ。
慣性の法則を忘れさせる、最高出力680psの圧倒的パフォーマンス
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