















熟成の歩みを止めないピュアFRスポーツの現在地
GAZOO Racingは2026年8月6日、FRスポーツカーとして幅広い世代から支持を集める「GR86」の一部改良モデルを発表した。2021年の登場以来、世界で累計約11万台を出荷した同モデルは、今回の改良でかつて期間限定色として人気を博した「ソリッドグレー」を復活。さらにプロドライバーとエンジニアが一体となって走行性能を磨き上げている。全国のトヨタ車両販売店にて8月28日より注文受け付けを開始し、2026年12月からの生産開始を予定している。
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伝統色「ソリッドグレー」の帰還と、ドライバーを駆り立てる専用コクピット
外観上の大きなトピックとなるのが、外板色への新色「ソリッドグレー」の追加だ。これは2017年から約半年間のみ、先代にあたるTOYOTA 86に設定されて好評を博したカラーの待望の復活となる。
また、RZグレードのインテリアにも手が加えられ、コクピット全体の質感が向上した。操作系のスイッチ類には確実な操作を助けるグリップ性が付与されただけでなく、光を反射しづらい鋳物ブラック塗装が施された。これにより、ドライバーがより運転に集中できる環境が整えられている。さらに、注文時に選択可能なブラックとレッドの内装色は、後期型のTOYOTA 86を想起させるような、赤のアクセントがドライバーを囲む専用の配色へと変更された。
0.5mmの執念が宿るシフトフィール。緻密な制御が生む極上のダイレクト感
走りの面でも、GR86の魅力である「意のままの走り」を深化させるためのアップデートが施されている。スロットルコントロールの制御が見直され、コーナー出口をはじめ、低路やウェット路面、雪道といった繊細なアクセルワークが要求される場面でも、車両を自在に操れるようになった。ダイレクト感はそのままに踏力と加速がリニアに立ち上がる特性となり、あらゆる場面でスムーズな運転体験を楽しめる。
また、スーパー耐久シリーズ参戦から得られた知見を活かし、電動パワーステアリングの制御も変更された。高速コーナーや荒れた路面での車両のふらつきを抑え、狙ったラインをトレースする正確な操舵性を実現している。GR86ならではの低重心による鋭いコーナリング性能を残しつつ、ミリ単位のつくり込みによる安心感の高い制御を獲得した。
さらにMT仕様では、シフトインターロックの面取りを約0.5mm拡大するという緻密な改良が行われた。これにより5速から4速へのダウンシフト時の操作性が向上し、減速からターンインまでの流れを途切れさせず、限界域でのコーナー進入をスムーズにこなすことが可能となった。
スポーツカーのための最新3眼「アイサイト」と、裾野を広げるCup Carの進化
安全で安心なカーライフを支える運転支援システム「アイサイト」にも、最新の技術が導入された。従来の2眼カメラから、広角化したステレオカメラに超広角の単眼カメラを加えた3眼カメラへとアップデートされている。スポーツカー特有の低い車高に合わせて専用設計されたこのシステムは、これまで以上に広い範囲を見渡すことが可能となり、多様なシチュエーションでの安全運転を力強く支援する。
加えて、モータースポーツの裾野を広げるための取り組みとして、ワンメイクレース参戦用車両である「GR86 Cup Car Basic」に、新たにAT仕様が設定された。これによりユーザーの好みに応じた選択が可能となり、より多くのドライバーにスポーツ走行の楽しさを提供する体制が整えられた。
「FUJI 86/BRZ STYLE 2026」で実車展示。各グレードの価格と発売スケジュール
メーカー希望小売価格(税込)は、RZグレードの6ATが361万6000円、6MTが351万8000円に設定されている。中間グレードであるSZの6ATは329万3000円、6MTは319万5000円で、モータースポーツベースとなるRCグレードは6MTのみの設定で293万6000円。
今回の一部改良で追加されたソリッドグレーの車両は、発表日である本日より9月7日まで、愛知県名古屋市のミッドランドスクエア内にあるトヨタ自動車ショールームにて展示される。その後、9月12日には静岡県の富士スピードウェイで開催されるイベント「FUJI 86/BRZ STYLE 2026」の会場でも展示される予定である。同イベントではオリジナルの86グッズやドリフトのデモラン、試乗など、多彩なコンテンツが用意される。
【ル・ボラン編集部より】
デビューから熟成を重ねるGR86。今回の改良は単なる商品力向上に留まらず、先代「TOYOTA 86」後期型へのオマージュともいえる配色やソリッドグレーの復刻など、自らの系譜と歴史を再確認するような手立てが興味深い。走りに目を向ければ、スロットル制御の緻密化により「ダイレクト感」と「繊細な扱いやすさ」という相反する要求を高い次元で両立させている。0.5mmのシフト面取り拡大といった細部への執念は、限界域での対話を途切れさせないための最適解だ。純粋な機械としての洗練の極みを感じさせるアップデートである。
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