
自動車専門誌「ル・ボラン」が、東京・二子玉川にあるライズ(rise)にて、3/15日(土)- 16日(日)に開催する入場無料のオープンイベント「EV:LIFE FUTAKO TAMAGAWA 2025」では、以前の記事でお伝えした通り今回新たな試みとして「EVアワード」を実施します。
これは、現在日本国内で購入可能なEV(BEV=完全な電気自動車。ハイブリッド車は含まない)の中から、編集部が独自の基準で選んだベストな1台を決めようというもの。今回は現在日本国内で購入可能なEVから、ル・ボラン編集部内で8台のノミネート車を選出させていただきました。
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その中でル・ボラン編集長の佐藤が選んだのが「メルセデスベンツG580 with EQテクノロジー」です。その選考理由と、モータージャーナリストの石井昌道さんによる「G580 with EQテクノロジー」のおススメポイントについても紹介します。

各車輪に独立したモーターを搭載する「4輪独立モーター」を採用す。システム全体では最高出力587ps、最大トルク1164Nmを発揮する。
変わらないために変わり続けるメルセデス・ベンツGクラス。その最新進化形が、Gクラス初のEV「G580 with EQテクノロジー」です。Gクラスは1979年の誕生以来、その堅牢なラダーフレーム構造と卓越したオフロード性能で、多くのファンを魅了してきました。伝統を守りつつも時代に合わせて進化を続けるこのモデルが、ついに電動化を果たしたのは必然とも言えます。しかし、G580は単なる「電動版Gクラス」ではなく、新しい価値観を打ち出した1台として登場したのです。
試乗車のEdition 1では、ブルーのアクセントが随所に施され、専用のインテリアトリムやステッチにより特別感を高められている。
一般的にEVは、最大航続距離やバッテリー容量がクルマの実力指標として重視されます。しかし、G580 はそうした指標にとらわれず、独自のオフロード性能を強く打ち出している点が面白い。その象徴的な機能が、「G-TURN」。これは、左右の車輪を逆方向に回転させることで、その場で360度回転するというものです。これは狭いオフロードのルートやUターンが難しい場面で威力を発揮するだけでなく、エンターテインメント性の高いギミックとしても注目を集めています。まさに「電動化したからこそ可能になった新たな体験」と言えるのではないでしょうか。
EV化によって重量が増すことで、オフロード性能に悪影響が出るのではないかという懸念もありましたが、G580は4つの独立したモーターを持つ「クアッドモーター」システムを採用し、各ホイールを個別に制御することで、従来以上のトラクション性能を実現。さらに、EVならではのメリットとして静粛性の向上も挙げられます。Gクラスといえば、その無骨なスタイリングとともに、パワフルなエンジン音が魅力のひとつでしたが、G580では静寂の中でオフロード走行を楽しむことができ、自然との一体感がこれまで以上に感じられるという、ここでも新たな価値を生みだしているのです。

ラダーフレームの伝統を継承しつつも、バッテリーを床下に配置することで、低重心化による安定性向上も果たしている。これにより、Gクラスならではの走破性をしっかりと受け継ぎながら、新たなドライビング体験を提供することに成功。
こうした機能の数々は、単なる「環境対応のための電動化」ではなく、「Gクラスらしさを継承しながら進化させるための電動化」であることと考えます。G580は、EVであっても決して妥協せず、むしろ新しい魅力を創造するというメルセデス・ベンツの哲学を体現した1台なのだ。実用性よりも大胆な機能で勝負に出るこの姿勢こそ、メルセデスならではのプレゼンスだと思います。
石井昌道氏の「G580 with EQテクノロジー」おススメポイント
本格オフローダーにしてセレブの足の定番であるGクラスのBEVは、なんと4輪それぞれにモーターを搭載。車両の挙動をいかようにも作り出せる究極のモデルともいえる。なんならその場でグルリと回転するG-TURNも備えている(公道では使用禁止)。モーターはトルクが太いのが特徴だが、4つのモーターによるシステム最大トルクは1164Nm! ガソリンNAエンジンで実現するとなると11〜12Lℓに相当するのだから凄まじい。シャシーにもハイテクが駆使されていて、オンロードでのハンドリングは本格オフローダーとは思えないほど高くて乗り心地もいい。とてつもないポテンシャルを秘めているのだ。
石井昌道氏のインプレッション動画はコチラ
【SPECIFICATION】メルセデス・ベンツG580 with EQ Technology Edition 1
■車両本体価格(税込)=26,350,000円
■全長×全幅×全高=4730×1985×1990mm
■ホイールベース=2890mm
■トレッド=前後:1660mm
■車両重量=3120kg
■モーター形式/種類=E0033/交流同期電動機
■モーター最高出力=587ps(432kW)
■モーター最大トルク=1164Nm(118.7kg-m)
■バッテリー種類=リチウムイオン電池
■バッテリー容量=116kWh
■一充電航続可能距離(WLTC)=530km
■サスペンション形式=前:Wウイッシュボーン/コイル、後:リジット/コイル
■ブレーキ=前後:Vディスク
■タイヤ(ホイール)=前後:275/50R20
問い合わせ先=メルセデス・ベンツ日本 TEL0120-190-610